最初の写真は、3面張りの水路です。皆(みな)さんの身の回りにたくさんあるはずです。たくさんあるということは役に立つ、便利だということです。ところがこの3面張りの水路が少しずつ違(ちが)う形になってきています。じつは、便利な反面、ちょっと困(こま)ったところもあります。そこで、便利なところは残して、ちょっと困ったところを改良しようという試みが行われているのです。
さて、その困ったところとは何でしょうか?
それは、人間の都合だけを考えていて、他の生き物には迷惑(めいわく)なことをしているということなのです。具体的には、・・・・・。
この写真は、スロープです。水路からある生き物が出て行けるように作られています。どんな生き物でしょうか? 答えはカエルです。
カエルは水の中の生き物ですが、3面張り水路の中で流され続けるとおぼれて死んでしまうこともあります。垂直(すいちょく)のコンクリートの壁(かべ)を上ることができるのは、手に吸盤(きゅうばん)のあるアマガエルだけです。他のカエルはよじ登ることができません。そんなカエルのためにこのカエルの脱出用(だっしゅつよう)のスロープが作られました。もちろんこのスロープを他の生き物が使ってもかまいません。