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ハチゴロウが死んでしまった。
僕としては非常に残念というか悲しい。
沢山のハチゴロウファンも同じ気持ちであろう。
実は僕はハチゴロウは死んでいると思っていた。
ただ、それは遠くの海に落ちてとか、大陸のどこかで行き倒れ、そう思っていたのだ。
なのに、こんなに近くで死んでいたとは、まったく考えていなかった。そんな死に方をあいつがするとは、とても予想できなかった。何が原因で死んだのだろうか。コウノトリの郷公園でもはっきりとした見解は出ていないようだ。
彼の運気が落ちている兆候はあった。メスにはうまくアプローチできず、362とは結構仲が良かったのであるが、こともあろうか、野上の増殖場で虎視眈々とハチゴロウの座を危ぶんでいた290とできてしまった。290は294とできそうな感じだったのに、なんと、362と294がバトルして362が勝利を収め、290と362という兄妹の関係でできてしまったのだ。ヒマラヤスギのてっぺんも290に取られ、アカマツの巣もハチゴロウが少し出掛けている間に290たちに居座られたりしていた。ハチゴロウは豊岡でカップルになることをあきらめたのか、今年は巣作りもほとんどしていなかった。大体昨年お見合いに放たれたメスを贅沢言って逆に攻撃するという暴挙も、メスたちの反感を買ったであろうし、彼も、もう豊岡での生活で子孫を残すということにややあきらめ感が出てきたのかもしれない。
ハチゴロウから野上の主導権を奪った290と禁断の愛を勝ち取った362のカップルも、繁殖行動が認められるや、近親交配、野生復帰プロジェクトによろしくないということで、290捕獲作戦が行なわれるや否や、餌に釣られて関係者もびっくり10分ほどで自らケージの中に入っていき、あっさり捕獲され、繁殖シーズンが終わるまで飼育下に置かれることとなった。
さて、長々とハチゴロウが死んでしまったことについて恨み言など書いてきたが、ようは、野上増殖センターの主がハチゴロウから290に移ったものの、290も昨日捕獲され、コウノトリたちにとってなかなか居心地の良いこの地の主がいなくなったとたんに、389と384のカップルが早々にやってきたのである。このカップル、まだ完全にできているのかどうか疑わしいところもあるが、早速ヒマラヤスギのてっぺんにオスの389が、その下の木にメスの384が占拠している。コウノトリ達もなかなかしたたかというか、競争が激しいのである。良い場所はすきあらばみんな狙っているのだ。