クシバタンポポ キク科
10年以上前のことです。タンポポをコピー機で複写したものがファックスで送られてきました。名前を教えてほしいという依頼でした。一度も見たことがない巨大なタンポポで、「わからない」と答えました。今から思うとそれが私がクシバタンポポと出会った瞬間でした。
クシバタンポポは、写真でわかるように変わった形の葉を持っています。クシバタンポポという名前の通りの「櫛の歯」状の葉です。
クシバタンポポは全体が大きく、一枚の花びらのように見える舌状花もたくさんあります。多いものは200個もあります。
花の色は黄色で外来系のタンポポとよく似ています。他の在来の黄花のタンポポはクリーム系の黄色なので花の色だけで区別できます。クシバタンポポは、4月~5月に花を咲かせます。
私たちコウノトリ市民研究所は、これまで在来タンポポを中心に調査を行ってきました。在来種はクリームがかった黄色(レモン色)、外来種は濃い黄色として、車の中からおおよその判断をし、車を降りて確認をしてきましたので、花の色が外来種に近いクシバタンポポは調査から漏れていたようです。私たちはほんのわずかのクシバタンポポしか発見できていません。おそらく但馬で最もわかっていないタンポポの一つなのだと思います。