キキョウ キキョウ科
ハギ、キキョウ、クズ、フジバカマ、オミナエシ、ススキ、ナデシコ、何か分かりますか?
そうです。これは秋の七草です。
この7種類の植物たちは、秋の七草が選ばれた昔には、きっと身近にいくらでもあったのだと思います。ところが今では、この中の2種類、キキョウとフジバカマが絶滅寸前です。両種とも庭や畑ではよく見かけますが、自然の中ではほとんど見られません。
キキョウが減ったのは、草原が少なくなったことが最大の原因ですが、園芸用に持って帰る人がたくさんいて絶滅を早めているのもまた悲しい事実です。
草原は、利用されなくて林になったり、開発されたりして面積を狭めています。もはやごく限られた場所に限られた数しか生育しないキキョウを採ることは許されないことです。園芸用には、栽培されているキキョウや市販されているキキョウを使うべきだと思います。
さて、このキキョウですが、多くの植物と同じようにめしべにおしべの花粉が受粉して種子が作られます。同じ花のおしべの花粉を受粉しないようにキキョウは面白い工夫をしています。
一つの花が、オスとして働く時とメスとして働く時を作って、自分自身の花粉がめしべにくっつかないようにしているのです。
一株の中に、咲き始め→オスの時期→メスの時期の花が見られます。
咲き始めです。すぐにオスの時期になります。めしべの外におしべがくっついています。花粉を出し始めます。この花粉はめしべの外側にくっつきます。受粉はしません。
おしべがめしべから離れてきました。めしべはまだ花粉を受け付けません。
おしべが枯れました。めしべは先が開いています。ここで花粉を受け付けます。
キキョウは秋の七草ですが、早いものは6月に咲き始めます。