イヌノフグリは、ピンクのかわいらしい花をつけます。
果実は、犬の陰嚢(いんのう)に似ています。だがら「犬」のふぐりです。
イヌノフグリは、日本在来の植物、あるいは大昔に農業技術といっしょに日本にやってきた植物といわれています。
同じ条件を好む生き物が同じ場所で出会うと競争(戦い)が起きます。多くの場合、戦いに敗れた生き物は死んでしまいます。
イヌノフグリは、明治時代以降に日本にやってきたオオイヌノフグリと同じような場所に生えるようで、競争が生じました。人間の影響が強い場所では、オオイヌノフグリの方が有利だったようで、イヌノフグリはどんどん数を減らしました。
イヌノフグリは、人間の影響の少ないところに残っているようです。それは、例えばこんな場所です。
人が草取りをしない石垣や、や除草剤をまいたりしない石垣です。
真ん中に立ち上がっているのがオオイヌノフグリです。横に、はっているのがイヌノフグリです。
私は豊岡市の3カ所の石垣でイヌノフグリを見たことがあります。そのうちの1カ所は、管理している方が草取りをされて、今ではオオイヌノフグリだけが生えています。
あまり世話のされていない旧家やお寺や神社の石垣は、絶滅が心配される日本在来の植物の避難場所になっています。