オシドリは美しいカモのひとつです。きれいな羽根を持っているのはオスのほうで、メスは灰色でめだちません。
冬の間は平地の水辺で観察できますが、春になると他のカモと同様、すっかり姿を消してしまいます。多くのカモはふるさとであるシベリアへ帰ってゆくのです。
オシドリは日本の森をふるさとにしています。春になると山の中へと帰ってゆくのです。カモが山で子育てをするというのは、ちょっと想像しにくいことですが、これは本当のことです。
この写真は5月はじめ、深い谷の中にある小さな田んぼで見つけたオシドリ夫婦です。山奥のこんな田んぼが、初夏のオシドリのエサ場になっています。
オシドリは大きな木にあいた穴を巣にします。カモが木の中から生まれるというのも、なかなか面白いことだと思いませんか?
写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信