FMジャングルを聞いていると、「がんばれ豊岡チルドレン」のキャンペーンCMがよく流れてきます。田んぼの学校やこどもの野性復帰大作戦にも、たくさんの子どもたちが集まってくるようになりました。
秋の深まった六方田んぼには、タカのこどもたちがやってきました。彼らは、はじめてのきびしい冬を乗り切らなければなりません。そんな六方田んぼのこどもたちを紹介します。
ノスリのこどもです。冬の間、トビの次によく見かけるタカ。背中の色は茶色で、後ろから見るとトビとまちがえそうです。しかし、前から見るとこのようにクリーム色。
ノスリの主食はネズミです。ときどき小鳥や魚なども食べますが、電柱や木の上から、地上のネズミをねらってつかまえます。
おとなのノスリは目が黒くなってちょっとこわい顔になりますが、こどもの目は白くて、表情もかわいいです。
オオタカのこどもです。前回、おとなのオオタカの写真をのせました。おとなは黒と白のはっきりした羽をもっていますが、こどもはこのように全体が茶色っぽいです。
オオタカのこどもも、後ろから見たらトビにまちがえそうです。でも、目を見てください。白くて、するどい目。生きた鳥をつかまえる、狩人(かりゅうど)の目です。
ハヤブサのこどもです。オオタカと同じく、おとなは黒と白の羽ですが、こどもはこんな羽です。胸から腹にかけてたくさんのスジが入っているのが特徴。
ハヤブサもオオタカと同様、ハトなどの中型の鳥をおそって食べます。こどものときは顔もおさないかんじで、カラスにもいじめられたりします。それでも、足にはするどいツメがちゃんと備わっています。
チョウゲンボウのこどもです。ハヤブサと同じ仲間です。おとなのオスは、茶色と黒がくっきりめだつ羽をしていますが、メスの羽はこどもの羽とあまりかわりません。
チョウゲンボウは長い尾が特徴です。今はおもにバッタを食べていますが、冬になると小鳥を襲います。
冬の間、タカたちは田んぼにあつまるネズミや鳥をエサにしています。エサにありつくには、まず狩(かり)をしなければなりません。逃げようとするネズミや小鳥を一瞬(いっしゅん)のうちに仕留(しと)める高い技術が必要です。
紹介したこどもたちは、何度も失敗をくりかえしながらその技術を高め、一人前のおとなのタカになってゆくのです。
写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信