2010年が明けた1月早々、但馬北部に3羽のケアシノスリがやってきました。2年ぶりのことです。
最初の1羽は元旦に現れました。しかも、今まで見てきたケアシノスリとは明らかに違うタイプです。下の2羽の写真が、普通に見られるタイプですから、違いがよくわかると思います。
白がきわだち、黒い縁取りとのコントラストがはっきりしています。一番の特徴は顔のまわりが黒いことです。おなかの模様の入り方も違います。
このケアシノスリは、かつては違う種類として分類されていたこともありますが、最近ではケアシノスリの成鳥とされています。但馬では初めて観察されるタイプだと思います。いかにもタカらしい、精悍な感じを受けます。
残念なことに、翌日の朝にもう1度姿が確認されただけで、どこかに行ってしまいました。
この冬2番目のケアシノスリは円山川中流で確認しました。上のタイプと違って、白黒のコントラストが弱い幼鳥です。以前から当地に飛来しているのはこのタイプです。
このケアシノスリは上面が白っぽいのが特徴で、遠くから見てもすぐにその白さで存在がわかりました。冬の間、同じ場所に居ついて、3月終盤まで過ごしました。
3番目のケアシノスリは西隣の竹野川下流で、ほぼ同じ時期に見つかりました。幼鳥らしさをよく残した個体で、警戒心が弱いのが特徴でした。おかげで、かなり近くから写真を撮るとこができました。
3月の終わりまで竹野川で観察を続けました。春が近づくにつれ、渡りのための栄養補給に余念がありません。1日にたくさんのネズミを捕まえて食べ続けていました。
ケアシノスリは数少ない冬の渡り鳥です。日本各地で冬を過ごしたあと、ふるさとのロシアへ帰ってゆきました。
写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信