アカテガニ (十脚目 イワガニ科Chiromantes haematocheir)
赤手蟹
円山川の下流域の石積み、土手、川に近い山の中などにいる。石の隙間や土の穴に住んでおり、水辺からかなり離れた所まで入り込んで生活している。よく似た仲間にクロベンケイガニもいるが、より水に依存しておらず、アスファルト道路でたむろしていたり、庭を歩いていたり、思わぬところで見かけることがある。雑食性で、稲の葉っぱを食べたり、川沿いの田んぼを徘徊して土手に穴を開けている。
名のとおり手が赤いのであるが、体色はバリエーションに富んでいて、全体的に赤いもの、黒っぽいもの、黄色い部分が目立つものなどさまざまである。
主に淡水域で生活しているが、淡水に完全対応しているわけではなく、ずっと水につけておくと溺れるらしい。
真夏の満月や新月の大潮の時に、河口部に移動しいっせいに産卵するとのことであるが、私は残念ながらまだ見たことがない。幼生時には海水が必要で、そのため河川の下流域でしか生活していない。塩分のある河口域で過ごした幼生は、やがて川を上っていく。回遊しているのだ。カニ類で完全に淡水域に進出しているかにはサワガニしかいない。
アカテガニは比較的簡単に飼育できる。