ワタムシの一種 (カメムシ目・腹吻亜目・アブラムシ科)
綿虫
庭で葉っぱの裏を見てみると、白いワタのようなものが沢山くっついていた。隠れるように反対側に移動するものがいる。少し動いて飛び立つものもいる。それが綿ぼこりのように漂っている。
この生物は何なのかと気になっていた。調べてみると、どうもワタムシという昆虫の仲間らしい。リンゴなど果樹の害虫としてもその関係の人たちには有名な生き物。アブラムシ「アリマキ」の仲間であった。
アブラムシは、羽のない状態で沢山増殖してコロニーを作る。アブラムシの仲間に、ワタのような蝋物質を分泌して、それを身にまとって生活しているものがある。これがワタムシの正体である。アブラムシの飛ぶ力は弱いので、綿のような蝋物質を身につけているので飛びにくくて空気の流れに身を任せ、綿ぼこりのように漂う。北海道ではユキムシと呼ばれ、これが見られると間もなく初雪が降るということで親しまれているそうです。
たしかに、沢山くっ付いている様子はアブラムシの仲間であることを連想させるし、実際にテントウムシの幼虫に捕食されてもいる。白い綿状のものが美しく不快感はあまりないが、逆光で見ると綿が透けて虫の胴体や排泄物が分かり美しくない。
アップで観察すると、小さな羽根が見られ、綿の中にアブラムシがいることが分かる。種によってはリンゴなどの果樹に被害を出すが、庭木に付くものは大した被害は出ないようである。
種類を特定する自信はないが、庭に勝手に新しく生えてきたエノキについていたことや、インターネットのサイトで見る限りよく似ている事からエノキワタアブラムシ(Shivaphis celti Das)ではないかと思う。