私がこの仲間を知ったのは今から34年ばかり前のことです。
当時、タマバシロヨメナは、新潟県あたりに生育する植物だということになっていました。それが丹後半島で見つかり、近隣を調べてみようということになりました。そして但馬海岸でも続々と見つかりました。
その後の調査で、海岸部に多いものの内陸の和田山町、朝来町、生野町でも見つかっています。ただし兵庫県では但馬以外では知られていません。
タマバシロヨメナは、シロヨメナの仲間です。但馬にはタマバシロヨメナの他にケシロヨメナがあります。ケシロヨメナは、兵庫県下に広く生育します。
黄色い花はツワブキ、中央が黄色い花はワカサハマギク、中央が白い花はケシロヨメナ
どちらも山裾に生えている白い小さなノギクです。もし道ばたに同じような白い小さなノギクが咲いていればシロヨメナではありません。まずノコンギクです。道をやや離れ山裾になれば、ほとんどの場合シロヨメナの仲間です。
タマバシロヨメナとケシロヨメナは、葉の形で見分けられます。タマバシロヨメナは、名前の通り卵形の葉をしています。ケシロヨメナの葉は、披針形です。
私がこの仲間を調べていた当時は、ケシロヨメナなどという名前はありませんでした。全てがシロヨメナだと思われていました。九州地方のシロヨメナの仲間の研究が進められる中で、シロヨメナからケシロヨメナが変種として区別されました。今では兵庫県にはシロヨメナはないのではといわれています。最初にその話を聞いたときには、なかなか感慨深いものがありました。