出石町長砂の大コブシ。私の知る中では2番目に太い。河畔林の名残だと思われる。
兵庫県にコブシは自然分布するのか? よく分かっていませんでした。
コブシは、本来、河畔林ですとか山裾の湿地ですとかに生育します。但馬でこれまでに発見されているコブシはほとんどがそんな場所に生えています。しかし自生ではなく植えられたものから種子が鳥に運ばれたのかも知れません。六甲山などではそんな経緯で芽生えたコブシが幹周り30~40cmに育っていると聞いています。
ここは、河畔林。日高町野々庄~西芝。ムクノキ・エノキ林の中に数個体がある。河畔林にはサギのコロニーがある。
川岸のコブシ。神鍋。上流の万場天神社にかなり太いコブシがあり、この木は植栽されたことが確実なので、神鍋のコブシは人為由来の可能性が否定できない。
山裾のコブシ。コブシは枝が広く横に広がる。この枝振りでタムシバと区別できる。
上のコブシのアップ写真。葉が日に日に広がってくる。コブシは花と同時に葉が広がるので、花の色が遠景では純白に近い色から次第に緑を帯びた白になってくる。
但馬のコブシには幹周りが3m近い巨木があります。幹周りが1mを越えるものも結構あります。太いものはおそらく100年近く前には生えていたと思われます。最近、街路樹として植えられたコブシは各地にありますが、太いコブシがそれらから広がったとは考えられません。一方で、古い人家の庭に巨大なコブシは見かけません。人為的な場所から広がったのではなさそうです。こんな理由で私は但馬のコブシはどうやら自生の可能性が高いと考えています。
但馬最大のコブシ。兵庫県でも最も太いと思われる。豊岡市の金比羅神社。
但馬のコブシは、豊岡盆地周辺、円山川とその支流沿いでしか発見されていません。詳しい分布は分かっていません。大まかな分布図を載せますので、これ以外の情報がありましたらお知らせください。
コブシは花に葉がつく。
タムシバの花には葉がつかない。
3月下旬から4月上旬が観察のチャンスです。よろしくお願いします。