いかにも外国からやってきたといった風な和名を持った美しいカミキリ。ラミーという東南アジア産の繊維をとる植物に紛れ込んで、幕末から明治にかけて移入され帰化種として広がりました。
日本では、ラミーと同種のカラムシという植物を食草にして育ちます。カラムシは道端のどこにでも見かける雑草で、但馬地方でもラミーカミキリが一時的に増えた時期がありました。現在は分布が広がったせいか、気象の影響か、平地でラミーカミキリをみる機会が減った気がします。
緑がかった白い体に、特徴的な黒い斑紋がよく目立ち、ほかの種と間違えることはまずありません。カラムシの葉っぱの上にちょこんと止まっていますが、人が近づくとすぐに逃げてしまいます。
黒い斑紋は、燕尾服を着た人のように見えます。胸にある2つの点は、ちょうど人の顔の目に見えます。私は、ラミーカミキリを見つけると、いつも「タモリ」を思い出すのですが、みなさんはどんなイメージをこのカミキリに持ちますか? 7月終盤には、ラミーカミキリの季節もそろそろ終わりになります。
写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信