立ち上がるシカ
ニホンジカは後ろ足2本で上手に立ち上がる。ウワミズザクラの葉っぱを立ち上がって食べている。少し見難いが映像を見ていただきたい。
但馬東部地域はシカの密度が高い。山の中の下層植生はシカに食われ、貧相になっている。シカの口の届く範囲の緑は食べられてしまって、いわゆるディアラインができている。
シカの口の届く範囲とは、通常はシカが首を伸ばして届く1.3m程度かなと思うが、時には木の枝に足をかけて食べ食べたりもする。先日、2本の後ろ足で立ち上がって1.8m程度の高さの木の葉も食べていることがセンサーカメラに撮影されていた。
場所は豊岡市但東町の集落から林道を300mほど入ったところにある、かつては水田であったと思われるヌタ場の横。ウワミズザクラの葉を大きなオスジカが立ち上がって食っている。ぎりぎりの高さを立ち上がって枝を加えて引っ張りおろし、咥えたままで上手に葉を食べる。おそらく小柄な個体は届かない高さ。大きな個体が有利である。
こちらの映像も同じ場所。暗くて見難いが、白くぼんやり光っている球形のものが2つ3つ見えると思う。これはモリアオガエルの卵塊である。卵塊の重みで枝が下がってきて、シカの口が届くようになったのであろう。最初の映像と比べると少し小さい個体のように見える。昼間にデータ回収に行ったときに、ヌタ場にモリアオガエルの卵塊が落ちていた。場所的に不自然だったので不審に思ったが、後でビデオを見て、シカために落とされたものだと分かった。
現場はこんな感じ。下の枝は食べられているのが分かるだろうか。
モリアオガエルの卵塊がぶら下がっている。
落下した卵塊