8月も終わりに近づくと、但馬海岸には南方系の魚たちが、九州や沖縄方面から対馬海流に乗って流れ着きます。この魚たちは、熱帯・亜熱帯のサンゴ礁や本州南部の太平洋沿岸などの暖かい海に生息する魚なので、冬になって水温が下がると死んでしまいます。このような魚たちは「死滅回遊魚」と呼ばれています。このうち、よく見る2種類を紹介します。
オヤビッチャ スズキ目 スズメダイ科 縞模様があざやかなスズメダイです。波打ち際の近くで、岩に付いている餌をとっていました。雑食性です。
オヤビッチャは、イシダイの幼魚(サンバソウ)に似ていますが、イシダイは縞模様が6~7本に対し、オヤビッチャは5本です。
ソラスズメダイ スズキ目 スズメダイ科 コバルトブルーの体に黄色い尾びれの小さな魚です。この季節だけですが、但馬の海にも色あざやかな魚たちが住んでいます。
写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣 和也