キクガシラコウモリ(菊頭蝙蝠) コウモリ目 キクガシラコウモリ科
このコウモリは、ヨーロッパから日本にかけての温帯域に広く分布しており、体重は17~35g、翼を広げた大きさは20~30cmにもなります。日本のコウモリの中では、沖縄などに生息するオオコウモリ科を除けば大型の種です。昼間は洞窟をねぐらにしていますが、まれに家屋内を利用することもあります。夜になると洞窟から出て、甲虫やガなど、中・大型の昆虫を食べます。出産は7月頃に行われ1仔を産みます。小型哺乳類では珍しく長寿で、20年以上生存する場合があるそうです。
全身を翼で覆っています。撮影したのは11月で、この頃になると冬眠の準備に入ります。50頭以上の群れでいることもあるのですが、ここでは単独でいました。
正面からの写真。画面下側が背中になります。鼻の部分が奇妙な形ですが、これは鼻葉(びよう)と呼ばれ、鼻から超音波を出して餌となる昆虫を探索する時などに、この部分で超音波をビーム状に収束すると考えられています。名前の「菊頭」は、この部分が由来しているそうです。
豊岡市内の鉱山跡の、写真のような廃坑内で撮影しました。天然の洞窟以外にも、防空壕跡など、人工的な横穴もねぐらにしています。
写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也