テンについては、2009年7月に高橋主任研究員が既に紹介している。
http://www.tajima.or.jp/modules/nature/details.php?bid=286
今回は別角度から動画で紹介したい。
これは、但東町のある民家の屋根裏に住み着いているテン。夕方に出かけていって、朝に帰ってくる。毎日ほぼ同じ時刻。
出かけるときは、屋根裏から顔を出して、直接下向きに降りるかどうか躊躇したようにしばらくしてから、上側にある軒の横柱をつたって柱を下りていく。
朝になると帰ってくる。帰りのルートも気になるようだ。
こちらは、カキの木を縦横に動き回るテン。場所はコウノトリの郷公園内。
見やすいように複数の動画を編集してつなぎ合わせている。また、センサーカメラの日付コントロールができなくなっているため、タイムスタンプはでたらめである。
テンは雑食で、木の実、果実、昆虫類、時には野鳥の雛やニワトリ、シカなど野生動物の肉、かぼちゃなどの野菜類への食害も発生させる。糞を見ると木の実の種が沢山入っていることが多いので植物食の強い雑食性のようだ。この動画でもカキの実を食べている様子が映っている。
今回の報告を作成中に、コウノトリ文化館から、何者かが軒の横柱にカキの実を置いているとの情報があった。
東屋の屋根の内側にも3箇所も置いてある、市民研究所の事務所兼倉庫の軒下にも置いてある。
調べてみると、どうやらテンの仕業のようである。
野生動物が食べ物を蓄える行動を「貯食」というが、リスやカラスでよく知られているが、テンがそのような行動をするかどうかは、ネットで調べても見つけることは出来なかった。
爪痕、糞、足跡などから、テンが第一に疑われたが、貯食行動をするという情報がないので確信が得られない。カキの実を咥えて軒下まで登ることができる生き物といえば、他にアライグマ、ハクビシンも考えられ、コウノトリの郷公園に生息している可能性は否定できない。
知り合いに広く問い合わせてみると、屋根裏のテンの撮影現場の住人であるO氏より、「我が家のテンは確認出来ているだけで、コガタスズメバチの巣盤、鹿の脛、柿を巣に持ち込んでいます。」との情報を得た。
柱の爪痕
歯型
足跡
センサーカメラでテンが頻繁に映ること、アライグマ、ハクビシンの痕跡は確認できていないこと、貯食現場付近にはテンの糞がよく見られること。足跡の痕跡は鮮明ではないが、テンの可能性が高いこと、カキを咥えた歯型の大きさ、さらにO氏から実例情報を得たことから、テンの仕業に間違いないとの結論に至った。テンの貯食行動はあまり知られていないように思う。