先日、豊岡市但東町である猟隊のシカ、イノシシ猟に立ち合わせてもらった。
獲物を追い出す勢子が3名、出てきた獲物を銃でしとめるマチが2ラインで8人ほどの巻き狩り。
その時にとてもきれいなイノシシのねやを見る機会に恵まれた。
積雪は15センチ程度で足跡がはっきりと残り、しかも歩きやすいという好条件。尾根筋にシカ、イノシシの足跡と並行するように猟師の足跡が残っている。それを追いながら教えてもらった場所へ向かう。
新しいイノシシの糞、
イノシシの食み痕(はみあと)、
尾根筋の脇に、常緑広葉樹の枝葉が積み上げられている。シカの食害で下層木はアセビしか生えていないといってよい。その関係か、ねやの材料はすべてアセビであった。
さらに近づいてみると、イノシシが収まっていたであろう場所に葉っぱのくぼみらしき部分も確認できた。
厳しい冬山の中で、イノシシは自分の寝床をせっせと作って、そこでくつろいでいるのか、、、。アセビの枝を食いちぎり集めて敷いていく。雪の上で寝るよりずっと暖かいだろう。
猟師によると、このようにきれいなねやを作るのはメスであるとのこと。
発見した猟師は、勢子で移動中に仲間との連絡に気を取られていたため、前方のねやから突然飛び出したイノシシに対し発砲することができなかったようである。
勢子は獲物を追い出すのが主な仕事であるが、チャンスがあれば発砲する。ねや撃ちのチャンスは結構あるようだ。単独猟を行なう猟師は、冬山でイノシシの痕跡をたどり、ねや撃ちを行なう。実際にそんなことができるものなのだろうかと疑問に思っていた。
イノシシとしても、自分が寝ている山で猟が始まれば、すぐに逃げ出そうとせず、暖かいねやの中で隠れて、そのままやり過ごそうと思うだろう。そしてぎりぎりまで隠れていて、確実に発見されると確信した時点で逃げ出すのではないだろうか。
今回、ねやの場所を教えてもらい、痕跡をたどりながらその場所を探して歩いたのであるが、優秀な猟師であればねや撃ちが可能であることが良く分かった。