センブリ リンドウ科
標準の大きさでしょうか。
センブリを見つけました。
これは小さい。
4年以上前から何度も何度も通っている場所なので自分の観察力のなさにがっかりするやら、見つけてうれしいやら複雑な気持ちになりました。
これは大きい。
センブリは、かつては林の縁や道端にできる草原で思いがけず出会った植物でした。それが、山の世話などがされなくなって草丈の低い草原が見られなくなるにつれて、出会えなくなってきました。今では、なかなか出会えない植物になってきたと思っていました。そのセンブリにあまりにも身近な場所で出会えてしまいました。じっくりと観察できそうです。
センブリは、千振です。千振は千回も煎じても苦いという意味です。煎じるのは、薬として使うためです。乾燥した全草を土瓶などに入れ、水を加えて加熱していき抽出液を得ます。これを千回というのは大げさすぎる表現ですが、それだけ苦いということです。私はセンブリを見つけると必ず葉を一枚かじることにしていますが、目が覚める思いがします。そしてそのたびに「荒れた胃がリセットされた」と思うことにしています。
図鑑には大きくなっても30cmほどにしかならないと書かれています。この地のセンブリは大きなものは40cm近くになっています。花もたくさんつけています。やがてたくさんの種子をまき散らしてくれると思います。
センブリとしてはちょっと大きすぎるので、よく似た種類であるムラサキセンブリかなとも思いましたが、葉の幅が広くないのでセンブリのようです。
センブリは、越年生の一年草です。発芽した幼植物が冬を越えて成長し、秋に開花して種子を落として枯れてしまうという生活史を持っています。ですから根が残って、そこから芽生えたりはしません。土の中にある種子がどれくらい生き続けるのか分かりませんが、花の時期に残らず抜いてしまうと大きなダメージがあることは間違いないと思います。
薬として根こそぎ持ち帰る人があるとも思いませんが、薬効には大きな差はないようですので採集は種子が落ちた後でしてほしいものです。そして、採集するのは一部にとどめてもらえるとうれしいです。
センブリは、中国では使われてないので漢方薬ではありません。日本で昔から使われている民間薬です。健胃が主な効能のようですが、その他の効能も知られています。
こんな虫が来ていました。名前の分かる方がおられましたら教えて下さい。
こんなところに生えています。知っている人には一目で分かる場所です。