ナガレホトケドジョウ コイ目 ドジョウ科
山間部を流れる、魚が住んでいないと思われるような小さな渓流の石を除けてみると、この魚に出会えるかもしれません。このナガレホトケドジョウという魚は、そういった小さな流れで暮らしています。全長6㎝ほどの小さな魚です。昼間姿を見ることもありますが、主に夜行性で、昼間は水中の石の下に潜んでいることが多いです。昔はホトケドジョウの一形態とされていましたが、20年ほど前に別種とされました。絶滅危惧種に指定されています。ホトケドジョウは但馬には生息していませんが、このナガレホトケドジョウは生息しています。
面白い事に、これらの写真のように地域によって少し体型に違いがあります。
上から見た姿。扁平な頭をしており、ドジョウというよりナマズのような印象を受けます。
このような山間部の小さな流れに生息しています。生息範囲の調査をしてみると、意外なところで姿を見ることがあります。こういった場所はコンクリート三面張りにされる事が多く、そうなるとナガレホトケドジョウは姿を消してしまいます。環境の悪化により、人知れず姿を消してしまった生息地があるかも知れません。このナガレホトケドジョウのように、意外なところに意外な生き物が暮らしているかも知れないので、どんな生き物が暮らしているか、身近な場所を探してみる事も大切かもしれません。ひょっとすると、自然保護上、重要な発見をすることがあるかも知れません。
写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也