たじまのしぜん

5日間の大地

六方田んぼ百合地巣塔の南600mの電柱の上で、百合地ペアの息子である5歳のオスJ0025と6歳のメスJ0016が初めての営巣育雛を経験しました。生まれた2羽のヒナのうち1羽は、巣立ち前に死んでしまいましたが、残る1羽は7月25日の朝に巣立ってゆきました。
巣立ったヒナはJ0113の個体番号を持つオスです。毎日の通勤途中、巣の中のヒナの様子を見るのが日課となっていましたが、巣立ち後もしばらく様子を見ようと寄り道していました。この写真は7月28日の朝の様子です。

車を停めた畦道に出てきて、枯れ草をくわえて反対側へと歩いてゆきました。真っ白な羽根と幼い顔つきが、巣立ちビナの特徴を印象づけます。

翌7月29日の朝、畦道にペタンと座り込んでいるJ0113を見かけました。首を動かしてはいるものの、遠目にも衰弱しているように見えました。連日の猛暑のせいかなとも思いました。

近くの巣では、親鳥が揃って子供を気にしているようにも見えました。この日の夕方に、同じエリアでこの幼鳥が目撃されて以降、翌日から行方不明になってしまいました。その後も朝夕に田んぼを巡回してみますが、J0113の姿を見つけることができません。
8月5日の朝、同じエリアで、変わり果てたJ0113の体の一部が見つかったと報告がありました。すでに何者かに食べられており、付いていた足輪からJ0113の死亡が確認されたのです。衰弱していたJ0113を、キツネかなにかが襲ったのでしょうか。あるいは、死んでしまった後に食べられたのかもしれません。巣立ってから、わずか5日の命でした。
元々弱い個体だったのかも知れませんが、親鳥にとって初めての子育てで経験不足だったとの見方もあります。すぐ近くに別のペアの巣塔があって、縄張りをめぐる軋轢があったのもネガティブな要因でした。
初放鳥から2年後の2007年に初めて野外でコウノトリが巣立ってから、このJ0113はちょうど100羽目にあたる巣立ちビナでした。コウノトリの自然放鳥が始まって10年目の節目にあたる今年ですが、野外個体数が増えたことによる新たな問題がコウノトリ社会にも出てきているように思います。コウノトリ野生復帰も、次なるステージへと向かう時期にきています。
写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

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