小型の鷹、チョウゲンボウはハヤブサの仲間です。ハヤブサ科の共通の特徴として、目から下に伸びる涙のように見える黒い斑が出ます。但馬では冬になると平地に姿を現し、小動物を捕まえて食べます。この写真は田んぼでハタネズミを捕まえたところ。
人の接近で、餌を持ったまま電柱に退避しました。右足には頭を食べられたハタネズミがしっかり握られています。バランスを取ろうと羽根を広げたところでシャッターを切りましたが、こういうチャンスに、止まっているときには見えない羽根模様の特徴を知ることができます。
飛翔姿はスリムなT字型です。チョウゲンボウは特に尾羽が細長く見えます。ハヤブサほどではないですが、高速で飛ぶことができます。
円山川の河川敷でも、しばしばチョウゲンボウを観察できます。広い草地の上などで、ホバリングと呼ばれる空中停止をしながら、地上のネズミの気配を探ります。見つけると急降下して鋭い爪で捕まえます。
豊岡盆地では、ノスリと同様、チョウゲンボウは馴染み深い冬の猛禽類です。成鳥のオスは数が少ないのですが、茶色と青灰色のコントラストが美しい姿をしています。ぜひ、見つけてください。
写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信