アオホオズキ ナス科
環境省カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
兵庫県版レッドデータブック Aランク
アオホオズキを最初に見たのは、20年ほど前のことです。小学校の理科の担当者会の方々を案内して山に入ったときのことです。
その場では分からなかったのですが、家に帰って標本を見ていているうちにアオホズキなのだろうと思いました。当時、アオホオズキは、近畿地方では京都、滋賀、奈良、和歌山、三重では確認されていましたが兵庫県では確認されていませんでした。ですので、その時点では兵庫県新産種ということになります。
私はどこにも報告しなかったので、兵庫県版レッドデータブックで取り上げられたのは、最新の2009年版です。そこには「最近但馬で県内初の新産地が見つかった。2009年版での追加種」と書かれています。私が見たのとは別の場所で見つかったのです。
以後、私は、私が見つけた場所で何度もくまなく探しましたが一度も見つけることができませんでした。個体数は少なく、消長が激しいのかなと思いました。そうこうするうちにその場所はシカによる食害で林床が丸裸になり、アオホオズキが生育できる環境ではなくなりました。
そのアオホオズキが、別の場所で2014年に見つかりました。お誘いがあったので見に行きました。林道沿いにたくさんの個体が生育していました。花は終わりかけており、立派な実が付いていました。残念なことにしおれていました。周辺は長い距離に渡って帯状にしおれており、除草剤の散布が疑われる状況でした。8月のことです。
10月に行くとアオホズキは完全に姿を消していました。翌年の5月に行っても見られませんでした。この場所からは失われたのかもしれないと思いました。
健在だったものの最大個体
幸いなことに2015年の9月に見に行くと他の植物に被陰されて大きくは育っていないものの10以上の個体が確認されました。お節介だとは思いましたが、3分の1ほどの個体に対して被陰している植物を刈り取りました。