カワシワタケ ヒダナシタケ目 シワタケ科
皮皺茸 (Meruliopsis corium)
キノコとは、菌類の子実体を表す言葉であるが、いわゆるキノコらしい形というのは、柄が立ち上がり、カサを開いて、カサの裏側から胞子を放出するという形であろう。
カワシワタケはいわゆるキノコの形をしていない。
子実体の形態の進化をごく大雑把に説明すると、原始的な子実体は、木の表面に付着するように広がって、その表面から胞子を放出する形。これを背着生という。背着生の子実体の端が木材から離れてめくれあがってきくる形。これを半背着生という。
さらに背着部がすべてめくれあがると、ヒラタケのような軸を持たないカサだけの形になる。胞子を排出する面は下側になる。まだ柄はないが、いわゆるキノコらしくなってくる。
さらに木に付着する部分が小さくなり、やがて柄になり、めくれ上がり部分は円形のカサへと進化していく。文章で説明するのはなかなか難しいが、今回紹介するカワシワタケを見ていただくと、理解しやすいだろう。
このキノコは背着生から半背着生である。ほとんど膏薬のように木の表面に付着しているものから、めくり上りが進み、ヒラタケ型へと近づいている形もみられる。
カワシワタケ、広葉樹の枯木を白腐れさせる白色腐朽菌。シワタケ科の仲間はまだまだ分類も難しいらしい。