キヒラタケ ハラタケ目 ヒラタケ科 キヒラタケ属
黄平茸 (Phyllotopsis nidulans)
カサの径は5~8㎝程度で、広葉樹(まれに針葉樹)の倒木などに、近縁のヒラタケ同様、柄はなく折り重なるように発生している。淡黄色をしておりカサにあらい毛がびっしり生えている。ヒラタケ同様に大量収穫が期待できるが、残念ながら不快臭があり肉質強靭で食用に適さない。
さて、このキノコには特筆すべきことがある。図鑑の筆頭に記載されていることが多いのだ。原色日本新菌類図鑑(1)(保育社)、山渓カラー名鑑「日本のキノコ」(山と渓谷社)、山系フィールドブックス「キノコ」(山と渓谷社)、キノコ図鑑(家の光協会)、これらの図鑑の筆頭を飾っている。
分類的にハラタケ目ヒラタケ科から記載されていることが多く、これは、ドイツ出身アメリカ合衆国の菌類学者Rolf Singerの分類を基準にしているからのようである。「The Agaricales in Modern Taxonomy」というキノコの分類に関する書籍でキヒラタケが最初に記載されているのだろう。(現物で確認した情報ではありません)
個人的にはヒラタケを筆頭にすればいいのにと思ってしまうが、Rolf Singer博士がキヒラタケを筆頭にした理由が知りたい。
秋から冬にかけて発生。特に珍しいキノコではないようである。