谷沿いの立ち枯れの枝先に、サシバが止まっているのを久しぶりに観察しました。サシバはカラスよりひと回りほど大きいタカの仲間で、但馬には夏鳥として飛来し山中で繁殖します。谷地田が人の手によって管理されていた時代には、山の田んぼを餌場としているサシバも多く見られました。山の田んぼの多くが放棄された今では、すっかり珍しい鳥になってしまいました。
今回サシバがいた場所は、やはり谷地田のそばでした。木の上からしきりに地上を覗いながら、鋭い視線で餌動物を探します。すーっと音もなく急降下したかと思うと、すぐに獲物をくわえて同じ枝に戻ってきました。ご馳走は、どうやらモリアオガエルのようでした。
食べ終えると、「ピッ・クィー ピッ・クィー」という特徴的な鳴き声を上げながら、森の中へと飛び去って行きました。
写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信