たじまのしぜん

ノビル

ノビル   ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属Allium macrostemon
(野蒜)

円山川の河川敷に生えている。
ネギに近い植物で千切ってみると強い葱臭がする。時に大きな群落を形成する。
葉は空洞であるが断面は三角。土の中の白い部分は球根型に膨らみ、小さならっきょうのようである。

春先のノビルをさっと湯がいてお浸しで食べると、とてもコク、甘味良好で、野趣に富んで美味しい。同じく円山川の河川敷ではネギに近いアサツキも採取できるのだが、こちらの方がより柔らかく味もさわやかで、さらに扱いやすいので、これまで私はもっぱらアサツキの方を好んで採取していた。

野生動物写真家で著名な宮崎学氏が「ギョウジャニンニクを醤油漬けにすると大変おいしい。」とおっしゃっていたのを思い出し、ノビルでしてみてはどうかと、今回やってみた。すると、予想以上に美味である。

シャキシャキした歯ごたえと、ニンニクよりも穏やかな風味、わずかに残るネギ類の辛味。ちなみに市販の九条ネギの白い部分を同様に醬油漬けにして比べてみたが、ネギの辛味が残り、歯ごたえ、甘味、風味どれもノビルと比べて落ちる。

ノビルで厄介なのは、収穫後の調整作業。つまり泥を落としたり、古くなった外皮や黄色くなった葉先を取り除いてきれいにする作業である。採取現場では、まず、移植ゴテを株の周りに差し込み、株ごとごっそりと掘り取る。

次にノビルを一本づつ分けていき、できるだけ球根の大きなものを選抜する。細いものは埋め戻す(資源保護の面からも重要)。土をできるだけ払い落として、緑の葉の部分は大胆に半分くらい切り落としてから持ち帰る。

キッチンで水洗いし、古い外皮を取り除き、根を切り落とす。ここまでの作業は結構面倒であるが球根部を利用するのであるから仕方がない。あとは適当に切って瓶に入れてしょうゆを注げば、半日もすれば馴染んでくる。

ご飯に載せて食するととてもよく合い最高クラスのご飯の友となる。チャーハンに入れたり、中華の薬味とか、様々な利用方法が思いつく。また、漬け込んだ醤油も調味料に使える。保存もできるし、山菜メニューの新たな定番となりそうである。

円山川河川敷のノビルは、洪水対策の河川改修により表土がめくられることにより、その場所では壊滅的打撃を受ける。しかし、それは一時的なもので、私がフィールドとしていた場所については、徐々に回復してきている。河川敷は広大で、おそらく資源量は豊富と言って良いと思う。山菜としての採取が少々広まっても問題ないと考えている。

なお、ネギの仲間は、分類ではユリ科と思っていたが、近年はヒガンバナ科とされているようである。

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