たじまのしぜん

ツノホコリ

ツノホコリ Ceratiomyxa fruticulosa
 原生粘菌綱?、 ツノホコリ目、ツノホコリ科、ツノホコリ属
 
 ツノホコリ。粘菌に興味を持って山を歩くようになると、真っ白なツノホコリの仲間に目が留まるようになった。
 倒木に花が咲いたように、真っ白なよく見るとサンゴのような美しさ。やや透明感があり粉を噴いたような、きんつばの皮を思い出す。そうだ、線香花火の感じでもある。子実体の長さは数ミリで1㎝に満たない、途中で1、2枝分かれするものが多い。春から秋に発生。広義の粘菌類で最も出会いやすいベスト3に入るようだ。

「広義の粘菌類」などと書いたが、実は、ツノホコリは広い意味で粘菌の仲間と言って良いが、正確にはかなり違う生き物である。分類としては非常に難解な生き物。通常は多核のアメーバ状で生活しているが、胞子を作るときに子実体を形成する。それが写真のもの。この辺りは粘菌(変形菌)類と同じなのだが、子実体の構造が大幅に違っていて、胞子を内包せずに外生胞子を作る。
 むしろ、もっと微小な原生粘菌類の仲間ではないか、あるいは、生活環のどの段階でも細胞の構造を失わない細胞性粘菌という生物の仲間ではないかなどと、粘菌の仲間と思われていたものが細胞性粘菌あるいは原生粘菌として扱われるようになり、現在は原生粘菌の仲間とされるのが有力のようだ。

原生粘菌の仲間は非常に小さいものばかりであるが、ツノホコリは目視できるほど大きい。分類体系上の扱いとしては、ウィキペディアによると、原生粘菌の仲間を独立した門とする説、これにツノホコリを追加する説、変形菌(粘菌)門に含めツノホコリと共に原生粘菌綱を立てる説、単にツノホコリ目に含める説があるようだ。少なくともツノホコリを原生粘菌の仲間として一緒にすることが多くなっているようだが、正直言って私にはよくわからない。

くどくどと、我々にはどうでもよいことを書いたが、粘菌(変形菌)に興味を持つと、山で目に付くそれらしい生き物(ツノホコリ類)が、実は粘菌ではないという奥深さというか、生物の広さというか、分類でいう門のレベルで違うのかよ!というような不思議な生き物。
 ツノホコリは亜種や形態変異が多いようだが、今回の写真のものは基本形といえると思う。枝分かれしないもの、玉状になるもの、黄色いものとして近縁種もたくさんあるようで、黄色いものはまだ見たことがない。

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