六方田んぼの南、出石川左岸の河川敷に大きな湿地が再び現れました。夏の間は干上がっていた休耕田に水が入ったのです。豊岡盆地の中で、いま一番大きな湿地になっています。
旅する渡り鳥が見逃すはずありません。さっそくおりてきたのが小ぶりのタカブシギと中型のアオアシシギです。
これはアオアシシギ。アオアシと言っても足は青くありません。昔の人は深い緑色のことを「アオ」と表現しました。私たちが普通に青と思っている色を昔は「ルリ」と言いました。アオアシシギの足は黄色っぽい緑色をしています。だから昔風の「アオ」色なのです。
どちらのシギもとても用心深く、人が近寄るとすぐにピピピと鳴きながら飛んで逃げてしまいます。観察するときは遠くから野鳥観察用のスコープを使うのがいいでしょう。
タカブシギやアオアシシギは春の渡りでも豊岡盆地の湿地でよく観察されます。この季節、南に向かう彼らの姿を再び見るようになると、夏から秋へと、季節の移りかわりを感じます。
文・写真 コウノトリ市民研究所 高橋 信