六方田んぼ新田地区にある河谷放鳥拠点の湿地に、見なれないシギが1羽入ってきました。見なれないというのは、内陸の田んぼで今まで観察したことがないということで、実際は毎年のように丹後半島の海岸では観察していた鳥でした。
名前はオバシギといいます。なぜそんな名前が付いたのかははっきりしません。古い言葉で年寄りの女性のことを「おば」というので、姿が地味なこのシギをそう呼んだのかもしれません。
オバシギは人をあまりこわがりません。エサとりに夢中になっているときは、こちらがじっとしているとどんどん近くに寄ってきます。ですから、鳥観察をしている人たちには人気のある鳥の一つになっています。
普段は海を渡るシギでも、ときどきこうして内陸まで入ってくることがありますから、注意深い観察が必要です。オバシギの旅はまだまだ続きます。彼らは一体どこまで飛んでゆくと思いますか?
なんと、オーストラリアまで飛んで行って、春までそこで暮らすのです。そんな渡り鳥を見るたびに、「元気に旅を続けてね」と思わずにいられません。
文・写真 コウノトリ市民研究所 高橋 信