パンダに続いてサルの話です。但馬には野生のサルがいて、農作物を荒らして悪さをしますが、今回は鳥の猿(さる)の話!?
冬になると北からたくさんの鳥が冬越しのために但馬にもやってきます。水辺のカモが代表的ですが、野山に出かけると冬だけの鳥が観察できます。
中でも、暗い但馬の冬景色の中で赤い鳥を見つけると、とてもうれしい気持ちになります。冬の赤い鳥、マシコの仲間です。マシコって変な名前ですね。漢字で書くと「猿子」です。そう、サルの子なのです。
<ベニマシコ>
平地でも、河原近くの草やぶに行くと見られるのがベニマシコです。漢字で「紅猿子」。紅色(べにいろ)の羽根を持った美しい鳥です。スズメくらいの大きさです。ベニマシコの顔を見ると、どうです、サルに似ていると思いませんか? だから猿の子と呼ばれているのです。
<オオマシコ>
こちらはオオマシコ。「大猿子」です。ベニマシコより少し大きい鳥です。オスはこのように見事に赤い色をしています。雪の中でこんな赤い鳥に出会うと、本当にわくわくしてしまいますよ。この鳥は少し山に入らないと観察がむずかしいです。
<ハギマシコ>
最後に紹介するのがハギマシコ。「萩猿子」と書くとおり、お腹のあたりが渋い萩色をしています。英語ではローズフィンチと呼ばれていますが、外国ではハギの代わりにバラの色に見立てています。オオマシコと同じくらいの大きさで、この鳥も山の中に住んでいます。比較的大きな群れを作りますし、雪が深くなると平地にも下りてきます。
真冬の野鳥観察は、このような美しい赤い鳥と出会うチャンスでもあります。みなさんもぜひ、翼(つばさ)をもった「サルの子」を見つけてください。
写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信