季節は繰り返し、幾度となくここでも紹介した冬のタカの代表選手ノスリが目立つ時期になりました。餌は野ネズミなので、街中で見ることはできません。郊外の田んぼに出ると必ずといってよいほど、このタカに出会うことができるでしょう。
トビより一回り小さい白っぽいタカが電柱にとまっていれば、まずノスリと思って観察してみましょう。ただし警戒心が強いので、近寄りすぎるとすぐに飛んで逃げてしまいます。
10月になると北から渡ってきます。但馬を通過してさらに南へ移動するノスリもいますし、ここに定着するノスリもいます。渡りは群れで行いますので、同じ場所で複数のノスリが観察されるときは渡りの途中なのかも知れません。
群れはときどき小さな争いも起こします。トビに似たピェーピェーという高い声で鳴きながら空中でバトルを展開します。
11月も後半になればノスリは一定場所に落ち着くようになります。こうなれば観察もしやすくなります。田んぼの電柱のほか、河川敷のヤナギの木もお気に入りの場所です。
高い場所にとまって、ノスリは地上のネズミの気配をじっと観察しています。見つけると急降下して鋭い爪でネズミを捕まえます。ネズミ以外にも、モグラやカエル、魚も食べます。
写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信