アカガエルの卵が田んぼに生みつけられている。豊岡盆地ではニホンアカガエルとヤマアカガエルと両方が見られる。
頭から背中に通っている左右のスジがほぼ平行なのがニホンアカ、目の後ろで大きく曲がっているのがヤマアカ。
アカガエルは真冬に卵を産む。豊岡では2月が中心と思うが、今年は大雪で、少し遅かったようだが2月下旬には観察することが出来た。
ニホンアカガエルとヤマアカガエルの卵隗を見分ける方法は、卵を手にとって見て、ゼリー状の弾力性が強くバラバラになりにくいのがニホンアカガエル、バラバラになりやすいのがヤマアカガエルの卵隗らしい。産卵されたばかりの新しい卵でないとはっきり分からないそうで、なかなか難しそうである。ひとつの卵塊に500から3000個ぐらいの卵が集まっている。一匹のメスがひとつの卵塊を生む。
産卵直後は卵塊も小さくしまっているがやがて水分を含みゼリー状の部分が膨らんで卵塊が大きくなる。透明できれいな卵塊も日がたつに連れてもろもろが付着してだんだんと汚れた卵塊になっていく。
胚は最初は黒いまん丸の粒だが、徐々に発生が進み変形してオタマジャクシになっていく。
普通は卵から出てきたときが生まれたときというイメージだが、こいつらはゼリー状の中から出てくるので、いつ生まれたのかよく分からない。親ガエルから卵で出てきたときが生まれたときというイメージが強いかも。
発生は水温に大きく左右され、暖かい場所と日陰の場所とではオタマジャクシになる期間が大きく違ってくる。卵塊を暖かい部屋の中に入れて観察すると、発生が早い。
真冬に産み付けられるのは、食害されるのを避けるためという解釈が妥当だろう。タヌキが救って食べているという目撃情報があるが、本当かどうか。オタマジャクシは5月にカエルになり上陸する。この時期トノサマガエルなどのオタマジャクシはまだまだ生まれたばかりか小さな段階である。5月の田んぼでコウノトリたちがちまちまとオタマジャクシをとって食べているのが観察できる。アカガエルのオタマジャクシである。
生みつけられた場所が、何らかの理由で水がなくなるとかわいそうに死んでしまいます。でも、ひとつの卵塊から大人になれるのは1から2匹程度。野性の世界は厳しいですね。