この冬、六方田んぼの野鳥シーンでひときわ人気者だったのがハイイロチュウヒです。飛来数の少ないタカの仲間です。
これはハイイロチュウヒのメスタイプです。オスの若い個体はメスととてもよく似た羽根の色なので、どちらか分からないときはメスタイプという言い方をします。これはハイイロチュウヒ以外の他のタカにも共通することです。
ハイイロチュウヒのメスタイプはオスに比べると飛来数が多く、ほぼ毎年少数を見かけます。一見フクロウのような顔と、腰に白い帯が出るので識別は容易です。
この冬のスターはこれ。ハイイロチュウヒの成鳥オスです。灰色をベースに白と黒の色合いがシックで、灰色の顔に金色の目がキラリと光ります。派手さはないですが、その美しい姿はバードウォッチャーの憧れです。
ハイイロチュウヒのオスはたびたび六方田んぼで観察されました。どこからともなく突然現われ、地面スレスレを超低空飛行でパトロールします。
翼をV字にして低空を飛ぶのが、チュウヒの仲間の特徴です。そして地上にネズミや小鳥を見つけると、急にストンと落ちるようにして捕まえます。この飛び方は他の鳥にはまねができません。
比較的ゆっくりと飛ぶので目で追いやすいのですが、このような狩りの仕方なので突然姿を見失ってしまいます。
円山川流域の広い範囲を飛んで一冬を越したあと、春が近づくとハイイロチュウヒは北の国へと帰って行きます。
写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信