イノシシの掘り起こし
イノシシの害が深刻である。
畑を荒らして農作物を食害する。稲刈り前の水稲を食い散らかす。大豆や小豆を食い散らかす。一晩でむちゃくちゃにされるから農家にとってはたまったものではない。これらの被害は、柵で囲うことによりある程度は防ぐことが出来る。しかし、ほかにも厄介な被害がある。山の中を歩くと、時々イノシシのヌタ場を見かけることがある。それが近頃は山の中でなくてもイノシシの掘り返しを良く見かける。農地などを掘り返すことによる被害である。
農作物がない時でも田んぼや畑に侵入し掘り返す、あぜや法面も掘り返してしまう。農地だけではない、道路や住宅の敷地の法面も掘り返してしまう。大雨で斜面が崩れてしまうことがあるが、それに十分に匹敵する損害を与えてしまう。復旧するのも大変だし、場合によっては直したそばから、また掘り返す。
イノシシの掘り返しを知らない人に見せたら、イノシシが掘り返したこととはなかなか信じてもらえなかったりする。まるで耕運機で作業したようである。困ったことにイノシシは、耕運してほしいときにはしてくれない。
イノシシは、土の中のミミズや昆虫やクズなの植物の根、おそらく越冬中のカエルやヘビなども食べているのだと考えられる。食べるためというより本能的に掘り返すのだという説もある。