カワムツ コイ目 コイ科
川遊びや釣りをしたことがある人なら、この魚を目にしたり捕まえた経験があるのではないでしょうか。カワムツは河川上流域から中流域に多く生息している身近な淡水魚です。川だけでなく、水路にいることもあります。上流部の渓流や、豊岡盆地の下流域では少ないのですが、但馬の川では大抵の場所で姿を見ることができるようです。但馬では地域によって、ハエジャコ、モツ、アカムツなどと呼ぶそうです。
以前は生息環境のちがいや鰭などの形態から、カワムツA型とカワムツB型に分けられていたのですが、2003年にカワムツA型は「ヌマムツ」と新和名がつきました。但馬ではヌマムツは確認されておらず、カワムツだけが生息しているようです。
繁殖期になると、オスは腹側が赤くなります。オスの方が大きくなり、大きいもので全長20cm以上になることもあります。
こちらは稚魚です。よくメダカと間違えられることがあるのですが、流れのある川で見る小さな魚は、ほとんどがこのカワムツの稚魚か、オイカワやウグイなどの稚魚です。
このように複数で群泳している姿をよく見ます。
淵や木の陰などにいる事が多いのですが、この写真のように、川の中心部の流れの中で、定位置に留まっていることもあります。
カワムツを見たり触れたりする機会は、夏が一番多いでしょう。その夏もそろそろ終わりに差し掛かりました。
写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣 和也