ツキヨタケ (ヒダナシタケ目キシメジ科ツキヨタケ属)
Lampteromyces japonicus(Kawam.)Sing.
(月夜茸)
ツキヨタケはキノコ中毒の一番多いキノコである。シイタケ、ヒラタケ、ムキタケという優秀な食菌によく似ているため、そこそこ野生キノコを食べている人でも間違って食べてしまうことがある。食べると美味らしいが、食後一時間ほどで嘔吐、腹痛、下痢、すべてが青く見えたり、ホタルのようなものが飛ぶように見えたりする。滅多に死ぬことはないが、死亡例もあるから恐ろしい毒菌である。
夏から秋にブナ等に発生する。折り重なって発生する様子はヒラタケ、ムキタケに似ており、色はシイタケに似ている。傘は茶色で濃い色の斑点のようなものがあり、少し怪しい雰囲気である。
傘を裂くと付け根の部分に黒いしみがあるので、このしみがあれば決定的である。しかし稀にしみが薄かったり見当たらないものもあるから複数を確認すべきである。幼菌では柄の上部に付くツバがはっきりしているのも特徴である。柄は偏心生。見慣れてくるとすぐにツキヨタケと分かるようになる。
もうひとつ特徴なのは、名前の由来であるように、ヒダの部分が発光するので夜間見るとぼんやり光っているということである。
ブナの倒木にぎっしりと重なり合って生えているものは壮観で、これがヒラタケであったらなあと思ってしまう。
写真:平成22年11月2日 香美町小代区