たじまのしぜん

ハマベノギク

海岸に咲く野菊(のぎく)です。

基本的には日本海側に生育します。富山県が分布の東(北)の端(はし)で、そこから西に向かい、九州にまで達し、そこで南下し、大隅(おおすみ)半島を回りこんで太平洋側にも分布を広げています。本州では日本海側の植物ですから兵庫県では、但馬にしか生育しないということになります。

おとなりの京都府では砂浜に生えますが、但馬では岸壁(がんぺき)に生えることが多いように思います。
 この仲間の中では花が大きく直径は3~4cmになります。薄い紫色であざやかな色合いをしています。普通は2年草なので花が咲くと枯れてしまいます。
 内陸部にはよく似たヤマジノギク(アレノノギク)が生えています。
 どちらも、果実についている毛に同じ特徴(とくちょう)があります。
 花を分解してみましょう。花びらのある花が舌状花(ぜつじょうか)です。舌状花の内側に花びらのない花があります。これを、筒状花(とうじょうか)または管状花(かんじょうか)といいます。どちらも一番下に果実がついています。その果実の上部に毛が生えています。長さを比べてみてください。長さが違いますね。
 舌状花;長い。分かりやすいように花を取ったものも示します。

筒状花;短い。写真ではあるようには見えません。

但馬のこのタイプの野菊で、花によって果実の毛の長さが違うのは、この2種類だけです。果実の毛だけ見てもいろいろなことが分かります。

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